スプリンクラー

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スプリンクラー

090215.JPG写真は灌漑用のスプリンクラーヘッドです。

スプリンクラーと言えば、通常思い浮かぶのは【消火】用にビル等の構造物に設置された散水機だと思います。この設備は、常時ある程度の圧力を送水管にかけておき、温度センサー等のヒューズに異常を感知した際に、散水して自動消火を行うように設計されています。最近は精度が向上して、誤動作は殆ど無くなったようですが、もしも誤動作をしたら、その被害はかなりの金額でしょう。保険金で補填できるのでしょうが、一旦散水が始まると、手動で止めないと散水は納まりません。お風呂のシャワーが家中に連続放水されていることを想像すれば理解できると思います。

元来スプリンクラーは用水路の無い農業地域の、灌漑用に開発されたものと思われます。河川は通常低地を流れています。それを自然用水路として利用するにはポンプが必要です。圧力を掛けた水を細いノズルから噴射してその先に障害物を置くと、反動でそれが動き開放される、同時にスプリングの力でヘッドが戻る。この繰り返しで円形に散水をすることが出来ます。

北米の中西部にそびえるロッキー山脈の麓には、大平原がある。西部劇でも有名な地域で、草地を求めて移動する牛の群れを追うカウボーイの姿を思い出します。この地はグレートプレーンズと呼ばれ肥沃な穀倉地帯でもあるようです。しかし年間降雨量の少ない乾燥地帯でもあります。そこで、考案されたのがセンターピボットと呼ばれる自動灌漑装置です。最大半径1kmにも及ぶ地域に定期的に肥料や水を供給するこの機械は素晴らしいのですが、地下水を利用することによる地盤沈下や、塩害が大きな問題となっています。

地下水をくみ上げると、水と一緒に中に溶け出した塩類や鉱物質が上がってくる。これを長期間に渡って散水することで、表面に塩類が集積して作物が生育しなくなってしまう障害を塩害と言います。地表面には塩を撒いたときの様に白くなってきます。一旦この障害が発生すると、回復させるのに自然条件化では数十年必要でしょう。水で流せれば良いのですが、地下水しかないこの地域では、降雨を待つしか手段が無いためにそれなりの年数が必要になってしまいます。大量の有機質を投入すればある程度の解決策になるでしょうが、自然用水の無いこの地域では決定打にはならないでしょう。塩類濃度障害を発生した農地では、作物は根からの水の吸収が極端に制限されるために、成長できません。

日本でも、渥美半島の豊川用水や知多半島の愛知用水は、ダムから導水して生活・工業・農業の用水として利用している。これが無ければ、作物の栽培は言うまでも無く上水道さえも確保できません。冬の期間山に降り積もった雪は、気温の上昇ともに少しづつ融け出して谷を流れダムに貯水されて、計画的に放水されています。しかし無秩序に樹木を伐採された山は、雪の保存が出来ず夏場の渇水を招いてしまいます。このことは、地球温暖化による極地の環境変化と同時に、生活地域の環境にも大きな影響を及ぼしています。

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